1893年にノルウェー北部のストークマルクネスで誕生したフッティルーテン。ノルウェー西海岸の南北を結び、”人と物資”を運ぶ船としてその歴史はスタートしました。それから125年以上運航し続け21世紀に至る現在でも、沿岸生活に欠かせない存在となっています。
2,400㎞にもおよぶノルウェー西海岸はフィヨルドや岩礁に覆われており、沿岸の村々は19世紀後半まで分断され、孤立していました。ノルウェー海は古くから豊かな漁場として知られており、西海岸の南北を結ぶ安全な交通・交易ルートを作る事が必要とされたのです。ノルウェー政府はトロンハイム-ハンメルフェスト間を結ぶ『海の道』を作る事を決定しました。
冬場の暗い極夜や無数の岩礁、数えるほどしかない灯台といった厳しい自然のため、当時は不可能と思われた『海の道』でしたが、北極圏にあるヴェステローレン諸島/ストークマルクネスの小さな船会社Vesteraalens Dampskibsselskab社の若いRichard Withは、誰もやったことのない試みにチャレンジしたのです。