カナダ・エキスプローラー・クルーズ17日間の過ごし方
ヨーロッパから未知の世界へ漕ぎ出したヴァイキング。エンジンもない船で、頼りになる地図や目印になる島もない大西洋を進み、グリーンランド、北米大陸にたどり着いたのです。その地を『ヴィンランド』と名づけ叙事詩に残しました。快適なシップで、1,000年前のヴァイキングの残した足跡を辿る、壮大な探検の旅へ出かけましょう。
南グリーンランドのヴァイキングの遺跡を巡った後、彼らと同じように海を渡り、カナダ北部へ。ラブラドール、ニューファンドランド島の歴史ある港町、ヴァイキングの遺跡、太古から続く大自然を堪能した後、ハリファックスで旅を終えます。フランス、イギリスが植民地を奪い合った歴史にも触れます。歴史のベールに隠されたロマンを探して、極北の地を旅します。
コペンハーゲンから航空機に乗って、4時間ほどでグリーンランドのカンゲルルススアークへ。ヴァイキングの足跡を辿る壮大な探検に出発!
フィヨルドと群島の風景が美しいマニチョに寄港。群島が点在し、自然の小さな運河を作り出しています。彼らが自称『グリーンランドのベニス』と呼ぶのも頷けます。人口2,800人の小さな村をぶらついてみると、役所、派出所、教会、病院など市民生活に必要なものは揃っています。
さらに南下し、漁業が盛んな街パーミウに寄港。グリーン、ブルー、イエロー、カラフルな家屋が並ぶかわいらしい村です。地元の人が伝統的な衣装を着て出迎えてくれました。アザラシの革で作られたズボンの上に、カラフルなビーズや刺繍の上着がとてもきれいで、思わず写真をパチリ。上空にはオジロワシが舞っていました。
羊農家が点在する小さな村イガリク村へ寄港。人口はわずか25人ほどですが、ヴァイキングの遺跡が発見されたことで有名になり、世界遺産にも選ばれたそうです。ヴァイキングの司教・ガルダルの農場には、教会の跡地が残されています。
緑豊かで氷山が浮かぶカシアルスークに寄港。アイスランドを後にした赤毛のエリックが972年、最初に定住した場所として有名で世界遺産に登録されています。住居跡が再現されていて、ヴァイキングの衣装を着た女の人がいろいろな説明をしてくれます。コロック氷河・ボートクルーズに参加すると、氷山が浮かび、プチプチという音が聞こえてきました。「これは数十万年も前の空気が溶け出している音なんだよ」とのガイドさんの説明が感慨深いです。
グリーンランドを後に、カナダへ向かいます。船内講義では、ヴァイキングたちはグリーンランドを後にして、さらに西へ進み、『ヴィンランド』を発見したとのことで、コロンブスよりも500年も前にアメリカ大陸に到達していたことになります。その未知の海を私たちも進んでいるのです!
海を越えてついに北米大陸に到着!1,000年も昔、地図もエンジンもない船でどうやってここまでたどり着いたのか、やっぱりヴァイキングはすごいと改めて感心します。最初に寄港したラブラドール地方の小さな村は大自然が残る素晴らしい場所で、ハイキングに出かけたり、イヌイットの文化を学んで過ごします。
ラブラドール地方の中心地、バトルハーバーに寄港。バトル島にあり、本土からはフェリーでしかアクセスできないこの地は、昔はタラ漁で栄えたそうです。19世紀頃の木造の建物が残されていて、まるでタイムスリップしたよう。ひなびた感じもなかなか良い雰囲気です。
旅のハイライト、世界遺産のランス・オー・メドーに到着!ここは、伝承とされていた『ヴィンランド』が実在し、アメリカにやって来た最初のヨーロッパ人がヴァイキングだったことが証明された場所です。ここでヴァイキングたちが生活していたと想像すると、なんだか声が聞こえてくるような気がします。
16世紀のバスク人たちの捕鯨基地であったレッドベイに寄港。水中に沈められていた捕鯨船が引き上げられ、船員たちの墓なども含めて世界遺産に指定されているそうです。博物館ではその興味深い歴史を学ぶことができます。
世界遺産グロスモーン国立公園の玄関口ボンヌ・ベイに寄港。バスでグロスモーン国立公園に向かい、テーブルランドと呼ばれるエリアをハイキング。ここは大昔、海の底だったそうです。素晴らしい風景を堪能し、地球の長い太古からの歴史を感じます。
アメリカの五大湖から流れて来るセントローレンス川の河口に広がるセントローレンス湾をクルーズ。今日は終日航海のため、デッキで一休み。風景を眺めながらひたすらリラックスします。
フランス領というサンピエ-ル&マクロン島に寄港。パリから4,000km離れたこの場所もフランスです。プジョーやルノーの車が列を作り、お店の通貨もユーロ。素敵なパン屋さんがあったのでマカロンやエクレアなど、思わずいくつもオーダーしてしまいました。
ノヴァスコシア州のケープ・ブレトン島にあるルイスブールに寄港。18世紀フランスにより要塞が築かれ、その後英国により破壊されたなどの複雑な歴史を持つ街です。ナポレオンがかぶっていたような帽子をかぶった昔の衣装を着た人たちが、要塞で大砲を打つと、バーンとすごい音がしました。
ハリファックスに到着。ヴァイキングの軌跡を追う旅も終わりです。この旅の距離と長さを思うと、何がヴァイキングたちをここまで駆り立てたのか、どうしても移住が必要だったのか、好奇心とフロンティア・スピリットだったのか?様々な疑問が浮かびます。答えはわかりませんが、ヴァイキングが当時、世界一の探検者であったと確信した旅でした。
2018年05月10日
2018年09月22日